害虫・害獣駆除専門
建築物ねずみ昆虫等防除業 東京都25ね第631号
東京都ペストコントロール協会 第2682-0番
ペストロジー学会 会員番号1894
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脚を複数持つ多足類は、その掛け離れた容姿により昔から人に忌み嫌われています。多足類にも様々な種類が存在し人に噛みつくムカデ類や臭腺を持ち触れると臭いヤスデ類、不快感を与えるゲジ、生物界での分解者のダンゴムシやワラジムシがいます。人に危害を加えるものや無害なもの、それぞれ共通して言えるのは不快感を与え徘徊侵入し人を困らせることです。多足類のそれぞれに違った生態が有り、その特徴をご紹介します。
ムカデは漢字で百足と書きますが実際30~50程度の歩肢しかありません。頭部と胴節と呼ばれる複数の胴節を合わせた胴部で体が構成されています。一つの胴節から一対の歩肢が生えています。つまり30本の歩肢があるムカデの胴節は15個と言うわけです。ムカデの頭部には大顎を備え獲物に噛みつき複数の歩肢で抑え込む肉食性です。主に昆虫類を捕えて捕食しますが南西諸島の大型種などはネズミやトカゲなども捕食します。
【トビズムカデ】
日本全国に分布し体長が8~15cmと大型なムカデです。体色に変異が多く一般的には鳶色の頭、黄褐色の脚、濃緑の褐色をした胴部をしています。赤い脚をした個体や赤い頭部をした個体も存在します。オオムカデ科の中では多く目にする種類です。
トビズムカデ成体
トビズムカデの頭部
トビズムカデの胴部
【アオズムカデ】
青森県以南に分布し体長は7~10mm程度とトビズムカデに比べ小型です。トビズムカデの亜種とされ生態的にはほぼ同じですが頭部は青みがかった褐色をしています。
アオズムカデ成体
アオズムカデの頭部
アオズムカデの胴部
【オオムカデ】
南西諸島に分布し体長が20~25cmと大型なムカデです。気性が荒く攻撃的です。頭部は赤褐色、脚は黄褐色、体色は黄色が強い緑褐色をしています。分類が整理されておらずコモンネームも様々ですがおそらくトビズムカデの色彩変異個体で亜種レベルでの違いは無いと思われます。
オオムカデ成体
オオムカデの頭部
オオムカデの胴部
【タイワンオオムカデ】
南西諸島に分布する本種は色彩変異が一番激しい種類です。オオムカデと呼びますが8~12cm程度とさほど大きくなりません。最大の特徴は胴節に黒褐色の帯が入ります。頭部は青や赤みがかった褐色に脚は黄、ピンク、青系など様々です。後脚が太いのも特徴です。
タイワンオオムカデ成体
タイワンオオムカデの頭部
タイワンオオムカデの胴部
【ノコバゼムカデ】
南西諸島に分布していますが、おそらく人為的な移動により関西、関東地方の一部でも生息が確認されています。体長は8~12cm程度で細身です。体色は頭部、胴部が青みがかった個体が一般的ですが赤褐色をした個体も存在します。最大の特徴は胴部に縦縞の溝が入る事と後脚が青白の縞模様になることです。
ノコバゼムカデ成体
ノコバゼムカデの頭部
ノコバゼムカデの胴部
【セスジアカムカデ】
ほぼ日本全国に分布し生息数も多いと思われます。メナシムカデ科に属し体長は5~6cm程度と小型で気性はさほど荒くありません。体色は頭部、胴部ともに赤褐色、脚は黄褐色をして皮膚表面に細かいエンボスがあります。
セスジアカムカデ成体
セスジアカムカデの頭部
セスジアカムカデの胴部
【毒牙】
ムカデの大きな特徴としてあげられるのは脚の多さですが人にとって脅威なのは毒牙を持つことです。ムカデの大顎には毒腺が有り噛まれると毒を注入され激痛と共に腫れ上がります。スズメバチの毒に近く非常に危険で重症になるとリンパ肝炎、リンパ節炎、壊死することもあります。アナフィラキシーショックを起こすこともあるため近付かないよう気を付けなければなりません。
【産卵】
ムカデは交尾をすると雄は居なくなり雌が一匹で子育てをします。産卵すると卵塊を放卵しカビが生えないよう舐めて世話をします。卵から幼体が孵化しても二回脱皮し親離れするまで育児に専念し、その間は餌も一切食べません。
【脱皮】
ムカデは卵から孵ると幼体も成体も形が変わることはありません。脱皮を繰り返し成長します。脱皮をする直前になると食事を一切摂らなくなります。脱皮後は皮膚が柔らかく張りが無いため少しやせて見えます。
【食事】
ムカデは肉食性の生き物です。空腹時は動く物なら突進して瞬時に捉えます。毒牙で噛みつき脚で獲物に絡みつき身動きを取れない状態にして摂食します。昆虫や小動物、樹液を吸いに来ることもあります。
【機動性】
多足類には動きの速いものと遅いものがいますがムカデは速い部類です。凹凸面であれば、たちまち壁などは登って行くため建物の基礎や木材質の物は簡単に登られます。逆に平坦な面は爪が掛からず登れません。
ゲジゲジと呼称される多足類の中では最も速い歩行速度で移動します。胴節は8、歩肢は15対30本程度になります。他の多足類と比べて触覚や歩肢が非常に長いのが特徴です。食性はムカデ同様、肉食性で小昆虫などを捕食します。家屋の床下ではゴキブリを捕食している姿を見ることがあり益虫適要素もあります。当然、捕食するための顎を持ちますが人に噛みつくようなことはなく無害です。素早く動くこと、脚が長く多いことなどから不快害虫として嫌われます。またゲジは捕獲しようとすると自ら歩肢を切り離し逃走する特徴もあります。
【ゲジ】
日本全国に分布し森林をはじめ市街地の公園や住宅の床下などで見られる普通種です。地域問わず生息密度が高く頻繁に目にします。体長は20~25mmで肉食性です。脚も15対あり生態的にもオオゲジとほぼ同じです。
ゲジ成体
ゲジの頭部
ゲジの胴部
【オオゲジ】
日本全国に分布し主に洞窟内を好み生息していますが山間部などの建物などでは侵入されることがあります。体長は45~60mm程度あり脚は15対で長く、数字よりも大きく感じます。動きがとても速く肉食性で小昆虫などを捕えて摂食します。人への攻撃性はありませんが掴むと顎で噛まれることがあります。
オオゲジ成体
オオゲジの胴部
摂食するオオゲジ
【オオゲジの一種】
沖縄本島等の南西諸島に生息し山間部近辺の建物は侵入されることがあります。非常に大きく成長し体長は85~100mmに達します。本土のオオゲジと比べ脚の縞模様、体節隆起の形状が異なります。人へ攻撃してくることはありませんが大型の個体は大顎が発達しているため咬まれることもあり注意が必要です。
オオゲジの一種成体
オオゲジの一種の大顎
オオゲジの一種の胴部
ヤスデは多足類の中で最も歩肢の数が多くムカデ同様、頭部と胴節で構成されています。ムカデとの大きな特徴の違いは胴節から二対の歩肢が生えることと食性です。ムカデが肉食性なのに対してヤスデは朽木や枯葉、腐葉土などを接食する植食性です。ムカデに比べて歩行速度も遅く捉えることも容易です。外敵からの防御方法として丸まることと臭気のある分泌液を分泌することです。本来は敷地などの石下やブロックの下、倒木の裏などの湿気のある場所でひっそりと暮らしていますが繁殖期になると大量のヤスデが発生します。梅雨の時期などに溺死を防ぐため高いところに上る習性があるため、建物の基礎を伝って室内に侵入される被害が出ます。
【ヤケヤスデ】
温帯から亜熱帯に分布し国内では最も目にする種の1つです。全体的に茶褐色をし外縁が黄白色をしています。寿命は1年で植栽などの移動により分布域を広げています。石下や倒木の裏などに見られ庭先などで容易に見つかります。時折、大発生し建物内に侵入することがあります。
【ヤンバルトサカヤスデ】
台湾からの移入種で沖縄に定着の後、九州、四国を経て現在では関東地方でも生息が確認されています。大きさは3cm程度で淡い褐色をし胴節ごとに茶褐色のラインが入ります。南西諸島では大行列を作って行進することがあり寿命は1年程度です。
【アカヤスデ】
本州中部から西日本に分布し年々生息域の北限が上がっています。関東地方でも普通に見られヤケヤスデに似て茶褐色をしていますが胴節ごとに黄褐色のラインが入ります。都市部より郊外に分布し10~11月に成体になり、そのまま越冬します。成長期以外はヤケヤスデとほぼ同じ生態です。
【ヒガシオビヤスデ】
日本全土に分布し普通に見られます。全身淡い茶褐色をし最大の特徴は各胴節の側縁がひれ状に広がっていることです。一般的なヤスデのように丸まることができず外敵からはひたすら逃げます。そのため他のヤスデに比べ歩行速度は速いです。落ち葉の下や倒木下に生息し稀に室内に侵入しますがいずれも単独行動です。
【キシャヤスデ】
在来種のキシャヤスデは大発生するヤスデの1つとして知られ線路に大発生し汽車を止めたことから付けれれた名前です。比較的大型なヤスデで3.5cm程度に成長し年1回の脱皮で8年目に成体になるため非常に長寿なヤスデです。中部山岳地帯に分布するため山間部の建物でない限り敷地内で被害が出たり室内に侵入されることはないと思われます。
【ニクイロババヤスデ】
大型のヤスデで4.5cmまで成長し体幅も5mmと太いため大変大きく見えます。体色は淡い緑灰色一色です。山間部に生息し落ち葉の下や倒木の下などに生息し他のヤスデ同様、危険を察知すると特有の臭気を発します。個体が大きいため臭いも他のヤスデより強く触れないよう注意が必要です。ロッジなどに侵入し人と接触することが稀にあります。
【フジヤスデの一種】
国内の広範囲に生息するフジヤスデの一種は土壌性の強いヤスデです。腐植土に潜むことが多く落ち葉の下や倒木の下でも見られます。体長が他のヤスデより長く55節あります。夜行性で冬季に活動する数少ないヤスデで降雨後、大量に地面に出没し外構や建物外壁に上ることがありますが溺死を回避するための行動と思われますが不快感を与えます。
【ミナミヤスデ】
熱帯地域に分布するフトマルヤスデ目に属するミナミヤスデは南西諸島に移入分布しています。山間部や林縁などに生息し市街地で見ることはありません。一般的なヤスデのように平坦でなく体高があります。体色は赤褐色で建物への侵入は有りませんがサトウキビ畑で大発生することがあり農業害虫としても認知されています。
多足類の中では最も目にする機会が多いのはダンゴムシ類だと思います。庭先の石などを捲ると大体見つかります。土壌で生活をするダンゴムシは乾燥を嫌い湿度の高い場所を好みます。食性もヤスデと同様で落葉土などを接食するため自然界では分解者としての役割が強く人へ危害は加えません。暗所や高湿度な環境になる床下に侵入することが多々あり浴室の出入り口などの木枠が腐朽していると稀に室内に侵入されることがあります。外敵からの唯一の防御方法は丸まることです。ダンゴムシは不快害虫的要素が強いですが庭などで育てている植栽などの新芽を加害する被害が出ます。
【オカダンゴムシ】
市街地で最も多く生息するオカダンゴムシは世界共通種でヨーロッパが原産国と言われています。落ち葉などの他に動物の死骸や魚肉も摂食します。植栽の新芽など茎に上り噛り付いているのがよく観察されます。外骨格にはカルシウムが必要なため、顎の力が非常に強くコンクリート表面を摂取することが知られています。雄は濃灰褐色をしていますが雌は黄褐色の斑模様をしている個体が多く変異の差が大きくあります。
オカダンゴムシの♂
オカダンゴムシの♀
オカダンゴムシの頭部
【ハナダカダンゴムシ】
ハナダカダンゴムシはイタリアが原産国の外来種で低温に強く日本の気候に順応し一部の地域に帰化しています。国内では横浜と神戸に分布し貿易港の存在により輸入物品に混入し侵入したようです。近年では他の地域でも局所的に発見されています。オカダンゴムシに比べて淡い灰褐色をし各胴節に白色の斑紋を有します。頭部中央に突起物があり鼻が高く見えるのでコモンネームが付いたようです。
ハナダカダンゴムシ成体
ハナダカダンゴムシの胴節紋様
ハナダカダンゴムシの頭部
ワラジムシはダンゴムシ同様、多足類では多く目にすることがあり一般的にはそのほとんどがダンゴムシとして片付けられています。プランクトンであるゾウリムシなどと呼び名が誤られることもあります。基本的な生態はダンゴムシと同様なので生活圏も一緒です。ダンゴムシと大きな違いは丸まれないことで、そのため外敵が近寄るとただひたすら逃走します。ダンゴムシのように植栽の芽などを加害することはほとんどないので益虫的要素はワラジムシの方が強いと思われます。
【ワラジムシ】
市街地で最も多く生息するワラジムシで庭先のプランターや鉢、あらゆる容器の下に潜みます。ヨーロッパが原産地で輸入物品などにより国内に移入し全土に広がっています。灰褐色が一般的な体色ですが単赤褐色に灰褐色の斑模様をした個体や淡配色に灰褐色の斑模様をした個体など変異が激しくマダラサトワラジムシなどと呼ばれることがありますが全てワラジムシです。
ワラジムシ
斑模様のワラジムシ
ワラジムシの頭部
【ホソワラジムシ】
ホソワラジムシは一般的なワラジムシと比べて細身で体節の側縁の側底が無いことで見分けることができます。体色は灰褐色ですが表面が粉を吹いたように見えます。関東以南に多く分布していますが爬虫類などペット用の餌として販売されている物が国内で放されたりすることで分布域の拡大に拍車が掛かっています。
ホソワラジムシ
ホソワラジムシの頭部
ホソワラジムシの尾肢
【クマワラジムシ】
原産地が地中海沿岸の外来種で愛知県以西で分布域を広げています。体長が20mmに達することがあり大型のワラジムシです。灰褐色ですが光沢があり細かく左右対称の紋様を有します。大阪や兵庫での生息密度が高く、その他、東京や神奈川の一部の地域で点在している程度です。
クマワラジムシ
クマワラジムシの頭部
クマワラジムシの尾肢
【オビワラジムシ】
ヨーロッパ原産のオビワラジムシはワラジムシやホソワラジムシ同様、世界各地に帰化分布しています。国内では関東地方のみで生息が確認されています。人里や公園など人工的に開拓された場所でも生息が可能ですが他種よりは生息数は少ないため局所的な分布になります。ワラジムシ科の中では大型で最大の特徴は尾肢の先端が丸まるので容易に判別できます。
オビワラジムシ
オビワラジムシの頭部
オビワラジムシの尾肢
【ヤマトサトワラジムシ】
トウヨウワラジムシ科に属するヤマトサトワラジムシは在来種で各体節に規則正しい紋様を有します。トウヨウワラジムシ科の中では大型で10mm程度に成長します。体表には光沢があり丸みを帯びた体型をしています。林縁をはじめ人里や公園、河川敷などに分布しますが外来種の進出により生息範囲は狭まりつつあります。現在はヤマトハヤシワラジムシのシノニムとされています。
ヤマトサトワラジムシ
ヤマトサトワラジムシの頭部
ヤマトサトワラジムシの尾肢