害虫・害獣駆除専門
建築物ねずみ昆虫等防除業 東京都25ね第631号
東京都ペストコントロール協会 第2682-0番
ペストロジー学会 会員番号1894
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植栽害虫とは植え込んだ樹木の葉を加害してしまうのはもちろん、根を加害し木を枯らす虫や毛に有毒物質が有り刺される被害など様々です。所有している庭での被害だけではなく出先の街路樹やバルコニーに置くプランターの家庭菜園など植栽害虫に接触する機会は多々あります。ここでは毛虫、カイガラムシ、甲虫の一部の生態についてご紹介します。
【チャドクガ】
ドクガ類の代表的存在で駆除依頼が最もあるのがチャドクガです。春から秋に掛けて2回発生します。幼虫の体色は齢が変わることにより変化しますが黄褐色、黒、白を基本としています。食草はツバキ、サザンカなど庭に植えこむ人気種なので被害が多発します。チャドクガは全てのステージで毒針毛を保持します。脱皮した抜け殻や繭にも触れることはできません。成虫では色彩の変異が多く黄褐色が多いものの茶褐色、その両方など様々です。成虫はあまり飛翔せず静止していることが多く室内の明かりに誘引され壁や窓に留まっていることが多くあります。
チャドクガ初齢幼虫
チャドクガ終齢幼虫
チャドクガ繭
チャドクガ成虫♀
チャドクガ成虫♂
成虫♂の腹面
【ドクガ】
ドクガはチャドクガ同様、全ステージで毒針毛を保持するので触れることはできません。食草に幅があり幼虫はカキ、ウメ、サクラ、コナラ、ハマナス、バラ、イタドリ、クヌギなどを加害します。春から夏に掛けて年1回の発生もあり、チャドクガよりは目にすることはありません。黒褐色に橙の紋様をしていかにも毒々しい姿をしています。成虫もチャドクガに似て黄褐色ですが前羽に太い帯状と黒点の模様を持ちます。
ドクガ終齢幼虫
ドクガの毒針毛
群れるドクガ幼虫
ドクガ成虫
周りに散る毒針毛
頭胸部房状毛
【ゴマフリドクガ】
毒針毛を保持する有毒種で幼虫は派手な体色で黒を基調に赤、橙、白の配色をしています。よくモンシロドクガと間違われることがあります。食草はニレ科、カバノキ科、マンサク科、エゴノキ科、ツツジ科、カエデ科、トウダイグサ科など幅広く、庭先などでも目にしますが大発生することはなく単独で見つかることが多くあります。成虫は黄褐色をベースに明瞭な茶の帯が入ります。
ゴマフリドクガ終齢幼虫
ゴマフリドクガの毒針毛
ゴマフリドクガ成虫
【モンシロドクガ】
春から秋にかけて2~3回発生し単独で活動します。色彩はキドクガと比較的似ているので混同されることがありますが黄褐色をベースに黒斑、白点を有するのでキドクガを反転させたような色彩をしています。成虫は白一色でアメリカシロヒトリと間違われることがありますが胸部の密生毛や脚毛の有無で容易に区別できます。食草はサクラ、ウメ、リンゴ、クヌギなどの多食性です。
モンシロドクガ中齢幼虫
モンシロドクガ終齢幼虫
モンシロドクガ成虫
【ヒメシロモンドクガ】
春から秋に掛けて2~3回発生するヒメシロモンドクガは幼虫がとてもユニークな形状をしています。灰褐色をベースに赤、橙の紋様を有し頭部と尾部に長毛、背面にブラシ状毛束を保持します。いかにもドクガと言った見た目ですが無毒です。食草はバラ科、クワ科、ブナ科、ヤナギ科、カバノキ科、マメ科、アオイ科など様々です。成虫は雌雄で体色が異なり雌は白褐色が基調で雄は茶褐色をしています。
ヒメシロモンドクガ終齢幼虫
ヒメシロモンドクガ幼虫頭部
ヒメシロモンドクガ幼虫房状毛
ヒメシロモンドクガ終齢幼虫
ヒメシロモンドクガ成虫♂
ヒメシロモンドクガ成虫♀
【リンゴドクガ】
日本全国に分布しリンゴを始め、ナシ、サクラ、クヌギ、ヤナギ、ポプラ等を食害します。4月~8月の間に2回発生し幼虫はとても明るい黄褐色の長毛を有します。尾部にはピンク色の毛束があり威嚇する時は胸部背面のブラシ状毛束の間にある黒い紋様を現わします。成虫は雌雄異色をして乳白色をベースに褐色の紋様を有します。
リンゴドクガ終齢幼虫
背面ブラシ状毛束
ピンク色の尾部毛束
リンゴドクガ成虫
成虫頭部
成虫側面
【スゲドクガ】
夏から秋に掛けて数回発生するスゲドクガはスゲ(カヤツリグサ科)、アシ(イネ科)、ガマ(ガマ科)を食草とするドクガの一種で幼虫は全身明るい黄色をして背面中央に黒い帯が入ります。成虫は白ないし灰褐色の地味な配色をして脚部は褐色になります。生涯を通じて無毒です。
スゲドクガ終齢幼虫
背面ブラシ状毛束
【マメドクガ】
ドクガ科のマメドクガは背面に毛束を5つ有し褐色をしています。ダイズ、アズキ、インゲンマメなどのマメ科を食草とするため農業害虫的要素を含みます。
マメドクガ終齢幼虫
【アメリカシロヒトリ】
初夏から秋に掛けて年2~3回発生する全身が白から黄褐色に覆われたサクラ類の大害虫です。北アメリカ原産の外来種でサクラを食害するイメージが強くありますがブナ科、カエデ科、クワ科などの多食性です。成虫も色彩に変異があり白一色のものもいれば黒状斑を持つものまで様々です。毒はありません。
アメリカシロヒトリ初齢幼虫
アメリカシロヒトリ終齢幼虫
アメリカシロヒトリ成虫(無斑)
アメリカシロヒトリ成虫(黒斑)
【キハラゴマダラヒトリ】
ヒトリガの仲間で成虫は全身白色に胡麻模様を有しアメリカシロヒトリの黒斑タイプと似ています。判別点は腹部背面が黄色をしているところで、羽を広げたり上げたりした際に見えることがあります。日本全国に分布し幼虫は黒い長毛で背面中央に黄線を有します。徘徊性で地面を移動する個体がよく見受けられます。近似種にアカハラゴマダラヒトリがいます。
キハラゴマダラヒトリ終齢幼虫
キハラゴマダラヒトリ成虫
黄色の腹部背面
【シロヒトリ】
ヒトリガの一種で春から夏に掛けて発生します。成虫は白色をして胸部に褐色の斑紋が入ります。幼虫は全身茶の長毛を有しスイバ、タンポポ等を食草とします。
【スジモンヒトリ】
小型のヒトリガの一種で春から秋に発生し成虫は淡褐色に湾曲した黒斑を有します。幼虫は濃褐色の長毛を有しクワ、ケヤキ、サクラ等を食草とします。
【クワゴマダラヒトリ】
春から夏に発生し成虫は灰褐色に薄紋を有します。幼虫は黒色をベースに茶、黄、白の斑紋を有し大発生すると建物の壁を登り不快がられます。
【マイマイガ】
近年、最も問題になっているのがマイマイガです。初齢幼虫にのみ毒があることが知れれていますが毒よりも大発生による不快的要素が問題視されています。初夏1回の発生ですが多食性で植込みの被害や成虫が産卵する卵塊の繭が壁中に付けられるなどの被害が急増しています。終齢まで紋様が変化する幼虫は褐色に青と赤の斑点が背面に並び70mmと大型になります。成虫は雌雄で体色が異なり雌は白を基調とし雄は淡茶が基調となります。食草はバラ科、ブナ科、ヤナギ科、カバノキ科、ニレ科などです。
マイマイガ若齢幼虫
マイマイガ中齢幼虫
マイマイガ終齢幼虫
マイマイガ成虫
マイマイガ頭部
マイマイガ胸部房状毛
【カシワマイマイ】
4月~7月頃食害が多くクリ、ミズナラ、サクラを好みます。幼虫期は脱皮をするにつれ模様が変化しますが齢が同じでも色彩が異なるタイプが居ます。大発生するマイマイガに近縁でカシワマイマイも同様に大発生することがあります。幼虫は無毒ですが棘を通り越して針のような毛を有しているため接触は厳禁です。成虫は白色ベースに褐色の紋様ですが局所的にピンクをして綺麗な種です。
カシワマイマイ終齢幼虫
針状毛
幼虫の脚
カシワマイマイ蛹
カシワマイマイ成虫
ピンクの斑紋
【イラガ】
イラガ属の代表種で「イラムシ」「デンキムシ」と呼ばれ恐れられています。7~8月頃多く見られカキ、サクラ、ウメ、リンゴ、バラ、ヤナギ、カエデ等の多食性です。幼虫は毒棘を持ち触れると電気的な鋭い痛みを生じます。イラガの繭はスズメノショウベンタゴと呼ばれ独特な紋様を有します。成虫はイラガ類の中では地味で口吻が退化しているため摂食することはありません。また頭部には大きい突起を備えています。
イラガ若齢幼虫
イラガ成虫
イラガ中齢幼虫
頭部角状突起
イラガ終齢幼虫
イラガ繭(スズメノショウベンタゴ)
【アオイラガ】
年に1~2回発生し幼虫は中齢から終齢まで形態が変化しますが形状はヒロヘリアオイラガ同様で背面の帯状紋様が明るいコバルトブルーになり棘の先端には黒色の針があります。成虫は6~7月及び8~9月に羽化し食草はヤナギ属が多く、他にナシ、クリ、カキノキです。他のイラガ類に比べて生息数、被害例は少ないです。
アオイラガ若齢幼虫
アオイラガ中齢幼虫
アオイラガ終齢成虫
胸部背面のライン
黒色の房状突起
アオイラガ成虫
【ヒロヘリアオイラガ】
イラガ類の中で最も目にするのが外来種のヒロヘリアオイラガです。初夏から秋に掛けて年2回発生します。都市部などの市街地に生息するイラガ類のほとんどがヒロヘリアオイラガです。食草はバラ科、カエデ科、ニレ科など幅広く庭先の植栽や街路樹によく発生します。若齢と終齢の幼虫では形状が異なり全身明緑色を基調とします。終齢の房状突起は橙色をしています。毒棘を持ち刺されると電気的な激しい痛みに襲われますがドクガ類と違い幼虫が死ぬと毒棘で刺されることはありません。毒針毛も保持するため接触は厳禁です。成虫は明緑色に茶褐色を有します。
ヒロヘリアオイラガ初齢幼虫
ヒロヘリアオイラガ若齢幼虫
ヒロヘリアオイラガ終齢幼虫
ヒロヘリアオイラガ顔面
ヒロヘリアオイラガ成虫
灯火に誘引された成虫
【クロシタアオイラガ】
初夏から秋に掛けて1~2回発生するクロシタアオイラガは幼虫がカラフルで明緑色を基調に背面中心を赤、その両縁に青が縁取る縦条線が入ります。房状突起は鮮明な黄色をしています。成虫はヒロヘリアオイラガ同様の色彩ですが紋様の形に相違点があります。食草はバラ科、ブナ科、カキノキ科などです。
クロシタアオイラガ終齢幼虫
クロシタアオイラガ成虫
クロシタアオイラガ成虫
【ナシイラガ】
秋に1回発生するナシイラガは他のイラガ類よりは目にする機会が少ないと思われます。ナシイラガの幼虫は他のイラガより濃い濃緑色をしています。成虫も淡~濃茶褐色をしています。食草はブナ科、バラ科、カキノキ科、ヤナギ科などです。
ナシイラガ終齢幼虫
ナシイラガの房状突起
6本の毒棘
ナシイラガ成虫
銀色の鱗粉
ナシイラガ成虫の頭部
【アカイラガ】
イラガ類の中では異形で赤をしたこぶ状突起を有し脱皮時には脱落させます。外敵に捕獲される際の防衛形態だと思われます。沖縄を除く日本全国に分布しチャ・サクラ・カキ等を食草とする多植性で棘には毒があるので注意が必要です。成虫は全身茶褐色をしています。
アカイラガ終齢幼虫
アカイラガのこぶ状突起
脱落するこぶ状突起
【ヒメクロイラガ】
日本全国に分布するイラガの一種で全身黄褐色をして黒い毒棘を有します。他のイラガ同様クヌギやカエデ、サクラ、アブラギリ等を食草とします。成虫は茶褐色で黒褐色の毛が散生します。5~8月に2回発生します。
ヒメクロイラガ初齢幼虫
ヒメクロイラガ終齢幼虫
毒棘
ヒメクロイラガ成虫
ヒメクロイラガ成虫
ヒメクロイラガのパルピ
【タケノホソクロバ】
タケ類の大害虫として有名なタケノホソクロバ。初夏から秋に2~3回発生します。幼虫は橙を基調に規則正しい黒状斑が入ります。長短の棘毛があり毒針毛も保持します。草地などの笹や竹などが食害され黄色く変色している場合はタケノホソクロバを疑います。成虫は黒一色で笹や竹の上ではよく目立ちます。
タケノホソクロバ終齢幼虫
タケノホソクロバの毒針毛
タケノホソクロバ成虫
【ヤネホソバ】
ヤネホソバは一般の毛虫のように食草を接食するのではなく苔を栄養とします。日本全国に分布し幼虫は灰褐色から黒褐色をして20mm程度に成長する比較的小型種です。幼虫には毒針毛があり触れると激痛が起こり皮膚炎を発症します。建物の外壁や屋根材に増殖した苔や地衣類を求め建物の壁を登ることにより被害が発生します。成虫は全身黄褐色をしています。
ヤネホソバ終齢幼虫
ヤネホソバ成虫
軒天まで登るヤネホソバ
【ウメスカシクロバ】
日本全国に分布し幼虫は黒褐色で頭部は赤褐色、黄色の毛を有し毒針毛を所持します。ウメ、モモ、サクラ、リンゴ等を食害します。成虫は黒褐色をして羽は透明で黒い翅脈が目立ちます。
ウメスカシクロバ幼虫
ウメスカシクロバ成虫
ウメスカシクロバの交尾
【ウンナンヨツボシホソバ】
春から初夏にかけて発生するウンナンヨツボシホソバは地衣類を食す種で樹皮に発生した苔や電信柱に付着した藻類を摂食します。比較的最近発見された種で既知種のヨツボシホソバと酷似するため成虫での同定が必要です。幼虫は全身灰褐色をしていて黒、白、赤の点や条線を有します。成虫はヤネホソバに似ますが羽に四つの黒斑を有します。
ウンナンヨツボシホソバ終齢幼虫
頭部長毛
苔を摂食するウンナンヨツボシホソバ
【ホタルガ】
春から秋に2回発生するホタルガは成虫の色彩がホタルに似ています。黒を基調に頭部が赤、羽に白い帯状の紋様が入ります。幼虫には毒棘があり刺されますが毒針毛はありません。灰褐色と鮮明な黄色のラインが交互に入ります。食草はサカキ、ヒサカキなどのモッコク科、ニシキギ科などです。
ホタルガ終齢幼虫
ホタルガ蛹
ホタルガ成虫
【カレハガ】
カレハガの代表種で成虫は枯葉を見事に再現した擬態をしています。幼虫は大型化し90mmに達します。全身灰褐色をしていて基線部の隆起は箒状に生えます。頭部には危険を察知すると黒褐色の毛束が盛り上がり、揺らして威嚇しますがクヌギカレハなどは毒を有しますがカレハガは無毒です。卵は緑に白線と丸の特有な紋様を有します。食草はサクラ、ウメ、シダレヤナギなどです。
カレハガ終齢幼虫
威嚇時に盛り上がる毛束
尾部紋様
カレハガ成虫
成虫頭部
カレハガ卵
【クヌギカレハ】
カレハガ最大種で100mmに達するクヌギカレハは初夏から夏に1回発生します。全身暗褐色をしてカレハガ同様、頭頂部に危険を察知すると黒褐色の毛束が盛り上がり、揺らして威嚇しますが毒針毛があり触れると炎症を起こします。食草はクヌギ、コナラ、クリ、アカシデなどです。成虫は明褐色をして秋に羽化します。
クヌギカレハ若齢幼虫
クヌギカレハ中齢幼虫
頭頂部毒針毛
【マツカレハ】
マツ科を専門に加害するマツカレハはアカマツ、クロマツ、カラマツを好みます。夏1回の発生で幼虫は終齢になると90mmに達し茶、白、黒の紋様を有します。幼虫と繭には毒針毛があり触れると炎症を起こします。成虫は茶褐色をして明緑色の卵を産みます。マツを加害するため庭よりも公園や工場の緑地帯などでの被害が多くあります。
マツカレハ終齢幼虫
頭頂部の毒針毛
終齢幼虫頭部
マツカレハ成虫
成虫頭部
マツカレハ卵
【ツガカレハ】
マツやツガ等の針葉樹を加害するツガカレハは年に1回発生します。カレハガの中でも大型に成長する種で毒針毛を有するため注意が必要です。マツカレハと混在することもありますが他種のカレハガに比べて生息数は多くありません。
ツガカレハ終齢幼虫
枝と同化する終齢幼虫
側面紋様
ツガカレハ成虫
ツガカレハ成虫
成虫頭部
【タケカレハ】
春から夏に掛けて1回発生するタケカレハはタケ、ササ、ススキ、アシなどを食草とするカレハガの一種です。中齢幼虫は明黄色をして食草にいると目立ちます。終齢幼虫になると茶褐色に変化します。幼虫は長い毒針毛の束を頭部と尾部に保持します。成虫は茶褐色をして枯葉のような羽に黄色の小さな円紋があります。繭にも毒針毛があるため触れると炎症を起こします。
タケカレハ中齢幼虫
タケカレハ幼虫頭部
毒針毛の束
タケカレハ成虫
成虫頭部
上翅白紋
【オビカレハ】
春から初夏に1回発生し中齢幼虫までは吐糸で幕を張って群生するため恐怖感を持たれます。食草はバラ科、ヤナギ科、クヌギ科などです。藍褐色に橙のライン、黒状斑が入ります。オビカレハは毛が生えますが毒針毛や毒棘はありません。成虫は茶褐色をしています。
オビカレハ終齢幼虫
オビカレハの群生
オビカレハ幼虫の顔面
【オビガ】
初夏から秋にかけて2回発生するオビガは全身に束状の長毛を有します。非常に毛が多く危険に見えますが無毒です。食草はスイカヅラやニシキウツギ、ツクシヤブウツギなどで林縁に多く発生します。正面から見るとモヒカン状に見える特徴的な形態をしています。成虫は茶褐色をした色彩をしています。
オビガ終齢幼虫
モヒカン状の頭部
幼虫の顔面
オビガ成虫
櫛状の触覚
山吹色の体色
【クスサン】
ヤママユガ科の一種で成虫は大型になり羽を開くと100mm以上になります。幼虫も大型で100mmに達します。終齢に至るまで明緑色を基調とし側面に青円状斑が並び背面には白い立毛を有することから白髪太郎と呼ばれます。繭は網目状の独特な形状からスカシダワラと呼ばれます。クリ、サクラ、オニグルミなどを食草としますが生息数は少なく無毒です。
クスサン初齢幼虫
クスサン終齢幼虫
クスサン繭
クスサン成虫
成虫頭部
目玉模様の羽
【ヒメヤママユ】
ヤママユガ科に属する小型種で60mm程度に成長します。全身、明緑色をして背面は立毛が生えます。春から初夏に1回発生しサクラ、クヌギ、カエデなどを食草とします。成虫は4枚の羽に目玉模様を有し茶褐色をしています。
ヒメヤママユ終齢幼虫
頭部長毛
背面立毛
【オオミズアオ】
ヤママユガ科に属す大型の蛾で初夏から秋に2回発生します。成虫は淡緑色をして上羽を紫で縁取ります。羽を開いた状態で120mmに達します。幼虫はイモムシ状で背面突起に棘のような硬い毛が生えます。サクラやカエデ、クリ、ミズキ等を食草として大型化するので糞が大きくたくさん落ちると被害に遭われていることに気付くことが多くあります。
オオミズアオ終齢幼虫
オオミズアオ成虫
櫛状の触覚
【モンクロシャチホコ】
夏から秋に掛けて1回発生し大食漢で終齢幼虫になる頃には樹木は裸同然にされてしまいます。中齢幼虫では小豆色をして群生しています。終齢幼虫になると黒褐色に黄色の毛を有しますが無毒です。食草はバラ科で硬くなった葉を好みます。成虫は乳白色を基調に茶褐色の斑紋を有します。
モンクロシャチホコ中齢幼虫
モンクロシャチホコ終齢幼虫
モンクロシャチホコ成虫
【ムクツマキシャチホコ】
初夏に発生しニレ科のムクやアキニレに集団でいます。成虫は枝のような形をし上羽先端が黄褐色をしています。幼虫は黒い縦筋、桃色の横筋、黄色い長毛を有します。
【オオトビモンシャチホコ】
初夏に発生しミズナラ、クヌギ、クリ等に集団でいます。成虫は茶褐色ですが幼虫は桃色をベースに黒と黄色の独特な紋様を有します。少数の黄色い毛を纏います。
【セグロシャチホコ】
春から秋に複数回発生しヤマナラシやヤナギを食草とします。成虫は茶褐色に白い紋様を有します。幼虫は淡褐色に黒い帯を背面に有し黄、橙で縁取ります。
【リンゴケンモン】
初夏から秋に掛けて2~3回発生します。リンゴケンモンは無毒ですが有毒なキドクガと誤認されることがあります。食草はバラ科、ヤナギ科などで単独で居ることが多いです。黒を基調に橙のライン、白状班を有し長毛が生えます。成虫は灰褐色をして黒い波状斑が入ります。
リンゴケンモン終齢幼虫
幼虫の長毛
リンゴケンモン成虫
【ナシケンモン】
春から秋にかけて数回発生するナシケンモンは体色に変異が多く黒を基調に黄条線に赤斑を有した一般的な個体から茶褐色に白条線に橙斑の個体、黒褐色に赤条線の個体など様々です。サクラやアブラナ、マメ、ギシギシなど幅広く加害しヤガ科に属しヤガ科では珍しい毛虫型の幼虫をしています。
ナシケンモン初齢幼虫
ナシケンモン終齢幼虫
ナシケンモン成虫
【フクラスズメ】
初夏から秋に2回発生する大型の蛾で幼虫は80mmに達します。黒を基調に背面は白横線、側面は赤斑、黄条線を有します。毛は他の蛾の幼虫と比べて少なく危険を察知すると体を揺らし威嚇行動をとります。イラクサ科を食草として成虫は茶褐色をして樹液に集まります。
フクラスズメ終齢幼虫
頭部長毛
側面紋様
フクラスズメ終齢幼虫
背面紋様
フクラスズメ成虫
【ナンキンキノカワガ】
トウダイグサ科を食草とするナンキンキノカワガは街路樹などに発生することが多く幼虫は明緑色で背面に黒斑を有し体毛は少なく比較的長いものを配列します。成虫は灰褐色で大きな特徴は前脚が房状毛束を有し太く見えることです。
ナンキンキノカワガ幼虫
ナンキンキノカワガ成虫
成虫前脚の房状毛束
【オオワラジカイガラムシ】
日本最大のカイガラムシで雌雄異形で雄には黒色半透明の羽があり雌には羽がなく楕円形の乳白色をしています。大半のカイガラムシ雌は脚が退化しているのに対してオオワラジカイガラムシの雌には終生、脚があります。成長すると10~15mm程度になりますが12月頃孵化して間もない幼虫は基礎や壁を登り建物へ徘徊侵入するため不快害虫としても扱われます。カシやクリ、マテバシイなどを好み幹に寄生すると粉を吹いたような状態になります。
オオワラジカイガラムシ初齢幼虫
オオワラジカイガラムシ成虫♀
幹に寄生するオオワラジカイガラムシ
【ワタフキカイガラムシ】
綿を身に纏ったようなカイガラムシで綿に見える白い蝋状物質はほとんどが卵嚢で虫体は全体の半分程度です。肉眼でも確認できる程度の付属肢を持ち茎に留まっていますが実際は茎に刺した口器の方で離れないよう捕まっています。本州では単為生殖なので雄は見ませんが南西諸島では有性生殖によることがあり雄も見ることができるようです。
ワタフキカイガラムシ成虫
成虫の腹面
付属肢
【タマカタカイガラムシ】
植栽被害の最も多いカイガラムシの一つで枝や茎に球状の物体がビッシリ着生し汁を吸い樹木を弱らせます。赤褐色の球体が雌の成虫で脚は退化していて動きません。雄は有翅で同様に赤褐色をして翅は透明、側縁が褐色をしています。バラ科の植物を好みウメ、サクラ、リンゴ、カナメモチなどに被害が出ます。天敵としてアカボシテントウがいます。
タマカタカイガラムシ成虫♀
梅の木に群生するタマカタカイガラムシ
羽化寸前の雄終齢幼虫と抜け殻
【ルビーロウムシ】
赤褐色をした球体がいくつも連なって植物の茎や枝に着生して見えるのが雌個体で背面を蝋状物質で覆っているように見えます。外観は球体のように見えますが剥がしてみるとしっかり脚を備えています。雄の出現はほとんどなく単為生殖をする個体が多く産卵を終えた雌は寿命を迎えますが蝋状物質ごと残ってしまうので見た目にも不快感が残ります。多くの樹木を好みますが特にチャ、ツバキ、ミカン、カキ、ゲッケイジュに着生します。
ルビーロウムシ成虫♀
柿の木に着生するルビーロウムシ
月桂樹に着生するルビーロウムシ
【アオドウガネ】
最も目にするコガネムシの一つで成虫は18~25mm程度に成長し全身緑色で鈍い金属光沢をしています。成虫は植物の葉を摂食し幼虫は植物の根を摂食するため植物に依存してその一生を終えます。成虫は5~10月に発生し正の走行性があるため夜間コンビニエンスストアのガラス面などに落ちて徘徊する姿をよく目にします。垣根の付近に照明などがあるとその垣根が大打撃を受けることがあります。
【ドウガネブイブイ】
体長25mm程度に成長し全身暗銅色の鈍い金属光沢をしています。アオドウガネが比較的市街地に多いのに対してドウガネブイブイは広葉樹林に多く生息します。南方系の前種に生息域を拡大され、その数は減少傾向にあります。基本的な生態はアオドウガネに準じます。
【コガネムシ】
日本全国に分布する一般的なコガネムシです。全身に強い金属光沢をした緑に角度によって胸部と腹部背面の境に赤みがかった色彩を有します。17~24mm程度に成長しサクラやクヌギなどの広葉樹に集まります。
【マメコガネ】
日本全国に分布しマメ科の植物を好んで摂食します。ダイズやブドウなどの農作物も好むため農業害虫的要素も含みます。8~15mmと小型のコガネムシで緑と赤の金属光沢を有し集団で葉を加害することが多くあります。
【クロジャコウカミキリ】
近年、国内に帰化して問題になっている街路樹の大害虫で光沢のある漆黒をして胸部のみ鮮明な赤をしたカミキリムシの一種で中国や台湾、モンゴル、ベトナムなどが原産国です。サクラやモモ、ウメ、カキ、ポプラなどの生立木に幼虫期、生息し穿孔しながら木を食べるため枯れ死します。成虫は6月に発生し幼虫は2~3年木の中にいるため効果的な駆除方法がなく寄生木の伐採しかありません。現在、埼玉県と愛知県で帰化が確認されていますが今後分布域は拡大するものと思われます。
クロジャコウカミキリ成虫
クロジャコウカミキリ胸部
クロジャコウカミキリ顔面
【落とされた糞】
【皮膚に突き刺ささるクヌギカレハの毒針毛】
【チャドクガにより坊主にされた植栽】
【皮膚に突き刺さったヤネホソバの毒針毛】
【基礎を登るオオワラジカイガラムシ初齢幼虫】
【笹を加害するタケノホソクロバ終齢幼虫】
【椿を加害するチャドクガ初齢幼虫】
【徘徊するリンゴケンモン終齢幼虫】