害虫・害獣駆除専門
建築物ねずみ昆虫等防除業 東京都25ね第631号
東京都ペストコントロール協会 第2682-0番
ペストロジー学会 会員番号1894
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木材を加害する害虫と言えばシロアリを連想しますが他にも多種木材を栄養として成長するものが存在します。種によっては針葉樹材を好む種、広葉樹材を好む種、ラワン材、竹材など様々です。ここでは一般家屋にて被害を受ける、また被害の出る可能性がある種をご紹介します。
【ヒラタキクイムシ】
建材や家具、文化財などのあらゆる木製材の害虫で在来種としては最も被害が多くあります。体長は幼虫期の餌の量により大きく異なり3~7mmに成長します。長棒形で赤褐色から暗褐色をして木材を削るため大きな顎を持ちます。日本全国に分布し乾燥した広葉樹材(ケヤキ・ナラ・カシ)を加害し特に合板、ラワン材の被害が多発しています。成虫は5~6月頃の夜間に材から脱出し活動します。産卵は辺材の導管内にするため導管の無い針葉樹は加害されません。
ヒラタキクイムシ成虫
ヒラタキクイムシ成虫
ヒラタキクイムシ成虫
脱出口から出てくる成虫
腹部から伸びた産卵管
交尾をするヒラタキクイムシ
ヒラタキクイムシ幼虫
木口に集まるヒラタキクイムシ
夜間活動するヒラタキクイムシ
長押の被害
桐タンスの被害
押し入れベニヤ板の被害
天井裏野縁の被害
ラワン材からの脱出口
被害材内は粉末状
【アフリカヒラタキクイムシ】
在来種のヒラタキクイムシの生息域を奪う勢いで被害拡大しているアフリカヒラタキクイムシ。体長は2.5mm~4mm程度に成長し外見はヒラタキクイムシと変わりません。頭部側縁の窪みが浅く腹節第4節の房状毛があることで同定します。また日中でも活発に活動します。低温に弱く越冬ができれば年2回発生します。ラワン材や合板の他、乾燥植物質も摂食します。
アフリカヒラタキクイムシ成虫
アフリカヒラタキクイムシ成虫
アフリカヒラタキクイムシの大顎
壁面脱出孔
脱出孔より排出されたフラス
脱出孔とフラス
【ケブトヒラタキクイムシ】
東南アジアに生息するケブトヒラタキクイムシは輸入される家具に既に侵入していたものから発生します。近年では少数ですが国内でも被害が散見されます。体長は2~3.5mmとヒラタキクイムシより一回り小さく鞘羽には規則正しく毛束が配列され他種とは容易に区別できます。発生したものが国内では既に定着していますが被害例としては極わずかです。
ケブトヒラタキクイムシ成虫
鞘羽に配列する毛束
食痕内のケブトヒラタキクイムシ成虫
【ナラヒラタキクイムシ】
世界中に移入分布し比較的低温に強く北アメリカ、ヨーロッパをはじめ国内では北海道に多く本州でも発見されています。体長2.5mm全身褐色をして頭胸部に比べて腹部の幅が大きくなるのが特徴です。年1回の発生で楢材の他、竹材から発見されることもあります。
ナラヒラタキクイムシ成虫
ナラヒラタキクイムシ成虫
楢材からの脱出口
【ケブカシバンムシ】
木材を加害するシバンムシの中では国内で最も被害の多い種です。体長は幼虫期の餌の量によって大きく変わり3.5~6mm程度です。食品害虫のタバコシバンムシやジンサンシバンムシと同様、赤褐色をしています。鞘羽には帯状に微毛が生え、それが紋様に見えます。日本全国に分布し広範囲な樹種を加害しますが特に古材を好み旧家などでの被害が甚大です。成虫は6~8月に出現し夜間活動します。被害材内には独特な形状の糞をするため同定が比較的容易です。
ケブカシバンムシ成虫
ケブカシバンムシ成虫
食痕内のケブカシバンムシ成虫
ケブカシバンムシ幼虫
幼虫の繭造り
ケブカシバンムシの繭
羽化後の繭
ヒラタキクイムシと混在する虫糞
ケブカシバンムシの糞
天井裏梁の被害
化粧梁の被害
野外丸太の被害
【クロアリガタバチ】
クロアリガタバチは寄生蜂の一種でケブカシバンムシを始めマツザイシバンムシ、オオナガシバンムシ等の木材害虫に寄生します。また畳のい草を加害するクシヒゲシバンムシの幼虫からも見つかっています。体色は黒褐色をして一見アリに見えます。体長は2.5mm程度で雌は毒針を持ち人と接触すると刺します。時にはアナフィラキシーショックを起こすこともあり危険です。発生は木材を加害するシバンムシに起因するため寄り主の駆除が重要です。
【チビタケナガシンクイムシ】
竹製品や竹材の大害虫で世界各地の温暖な地域に分布し日本全国で確認されています。成虫は春から秋にかけて年3~4回発生します。竹材の外皮などの糖分の少ない所を残し材内を加害し、加害場所は粉末状になります。体長は2.5~3.5mmで黒褐色の長棒形で頭胸部先端は緩やかに弧を描き複数の突起があります。触覚は先端から三節が幅広く平坦になるのが特徴です。竹材のみならず小麦粉などの食品からも見つかっています。
チビタケナガシンクイムシ成虫
胸部下に隠れた頭部
特徴的な触覚
【二ホンタケナガシンクイムシ】
日本在来の竹材を加害する害虫で、アジア、ヨーロッパ、オーストラリア、北アメリkにも帰化しています。チビタケナガシンクイに非常によく似た形態で、胸部前方中央に小突起が一対、かつ近接していることで同定できます。年1回の発生で成虫で越冬します。
二ホンタケナガシンクイムシ成虫
二ホンタケナガシンクイムシ成虫
二ホンタケナガシンクイムシ成虫
【ナガシンクイムシの一種(Sinoxylon unidentatum)】
東南アジアに生息するSinoxylon unidentatumは広葉樹を好んで加害する害虫でコスモポリタンとして世界汎用種と認知されています。移動は全て家具等の材内に産卵もしくは各ステージで生息していたものが材外へ脱出することにより発見されます。国内でも数件の報告はある物の帰化の事例はありません。亜熱帯種なので本土では南西諸島での帰化が懸念されます。全長5~6mm内外で黒褐色、胸部背面外縁に鋸状の刺状突起を頭部から腹部方向に向け数個配列します。腹部先端にはM字状に背面を中心に近接して配置され触角はSinoxylon属特有の櫛状をしています。オーク材等の硬い木材を容易に穿孔します。
Sinoxylon unidentatum成虫
Sinoxylon unidentatum成虫
Sinoxylon unidentatum成虫
櫛状の触角
脱皮後の成虫
腹部先端M字状突起
加害部材表面
加害部材内食痕
Sinoxylon unidentatum成虫
【アカネニセヒゲブトキクイゾウムシ】
広葉樹の枯れ木や製材を食害する害虫で含水率の高い木材を好むため一般家屋での被害は床材が多く玄関框や化粧ポーチ柱にも被害が及びます。樹種は比較的ブナやシダレヤナギ、ハンノキなどの腐朽材に多く見られます。体長は2.8~3.8mm程度で全身黒色で艶があり吻は短く小楯板は微小で深く陥没します。幼虫は材中を穿孔食害して成長しますが成虫は材から脱出する際、穿孔食害します。
アカネニセヒゲブトキクイゾウムシ成虫
穿孔食害された材の断面
框板からの脱出口
【ムツヒゲキクイゾウムシ】
ムツヒゲキクイゾウムシ成虫
天井からフローリングに落ちる成虫
走光性により窓際に集まる成虫
【ハマベキクイゾウムシ】
ハマベキクイゾウムシ成虫
長い特徴的な口吻
被害材から排出された糞
【キクイゾウムシの一種】
キクイゾウムシの一種成虫
食害された床板
回収されたキクイゾウムシの一種